Works of Art
Yaguruma
日本の近代ジュエリー史に名を残す逸品といえる多機能ジュエリー
1937年(昭和12年)、パリで開催された万国博覧会に出品された帯留「矢車」は、日本の近代ジュエリー史に名を残す逸品といえる多機能ジュエリーである。
デザインは当時流行していたアールデコ様式、真珠やダイアモンドの他にサファイア、エメラルドを使用し、ミキモトならではの伝統的な技法を施している。
美しい纏まりを見せるこの帯留めは、付属の部品を専用ドライバーで組み替えることにより12通りの使い分けができる設計になっており、ブローチ、指輪、髪飾りなどに変化していく。
「矢車」は、パリ万博の後に販売され、その後の行方は知られていなかったが、
1989年春にニューヨークのオークションに登場、50年ぶりに日本に戻った。
独創的で格調高いデザインと卓越した細工技術を駆使した、昭和初期を代表するミキモトスタイルの頂点を極めたジュエリーである。